2019年3月11日月曜日

東日本大震災による各独立行政法人の被害状況及び震災対応関係の業務内容(平成23年4月26日総務省)

 「東日本大震災による各独立行政法人の被害状況及び震災対応関係の業務内容」(平成23年4月26日総務省)は、平成23年4月26日の総務省政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会に、委員会事務局である総務省行政評価局又は行政管理局が提示した資料。各独立行政法人のウェブサイトにおける公表内容を元に、総務省がまとめている。概要は以下のとおり。独立行政法人の名称及び日付は特に断りがない限り平成23年のもの。

○各独立行政法人の被災状況
  • 独立行政法人情報通信機構:おおたかどや山標準電波送信所が20km圏内避難指示を受けたことに伴い、標準電波の送信を停止→4月21日、暫定的に送信を再開
  • 独立行政法人国際協力機構:東北支部が業務停止
  • 独立行政法人国立科学博物館:筑波実験植物園の望遠鏡ドームについて、歪みが生じ使用不可
  • 独立行政法人物質・材料研究機構:・材料分析用の核磁気共鳴装置(NMR)や真空装置が被害。修理費8億4千万円以上の見込み。
  • 独立行政法人防災科学技術研究所:つくば本所の一部建屋が損壊。観測施設の一部も被災。
  • 独立行政法人科学技術振興機構:日本科学未来館の館内展示や施設に大きな破損
  • 独立行政法人宇宙航空研究開発機構:筑波宇宙センター日本実験棟「きぼう」および宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)の運用管制施設の建物などに一部被害が発生
  • 独立行政法人海洋研究開発機構:物的被害あり。地球深部探査船「ちきゅう」の推進装置等が破損。→室蘭港にて応急修理後、横浜へ回航。
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構:苫小牧高専、八戸高専、一関高専、仙台高専、秋田高専、鶴岡高専、福島高専、茨城高専。小山高専。群馬高専、東京高専に被害
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構:原子力科学研究所、核燃料サイクル工学研究所、大洗研究開発センター、那珂核融合研究所、本部(茨城県那珂郡)において、一部の設備・機器等に損傷あり
  • 独立行政法人雇用・能力開発機構:宮城職業能力開発促進センターについて津波により1階冠水、施設閉鎖。・いわき職業能力開発促進センターにおいて公共職業訓練を休止
  • 独立行政法人労働者健康福祉機構:青森労災病院、東北労災病院、秋田労災病院、福島労災病院、鹿島労災病院が被災。
  • 独立行政法人国立病院機構:宇都宮病院、水戸医療センター、いわき病院、仙台医療センター、宮城病院、霞ヶ浦医療センターが被災
  • 独立行政法人家畜化医療センター:ウェブサイトへのアクセス困難
  • 独立行政法人水産総合研究センター:東北区水産研究所若鷹丸船首船尾損傷、宮古栽培漁業センター全壊、水産工学研究所及び本部(横浜)が被災。
  • 独立行政法人産業技術総合研究所:つくばセンター及び東北センターが被災。電子顕微鏡や排気装置が大きく損壊し、被害額数十億規模。
  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構:東北支所が被災。
  • 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構:久慈国家石油備蓄基地にて管理等3棟浸水、燃料タンク1基破壊、その他タンク5基が倒壊、このほかの地上施設・設備関係がほぼ全損
  • 独立行政法人電子航法研究所:仙台空港所在の岩沼分室がほぼ全損
  • 独立行政法人海技教育機構:宮古海技短大被災。庁舎津波被災、船艇大破、艇庫全損。
  • 独立行政法人航空大学校:仙台空港所在の仙台分校が被災。庁舎津波被災。
  • 自動車検査独立行政法人:東北検査部が被災
  • 独立行政法人水資源機構:利根川河口堰ブロック護岸一部沈下等
  • 独立行政法人自動車事故対策機構:仙台主管支所及び福島支所の休業
  • 独立行政法人海上災害防止センター:資機材使用不可能
  • 独立行政法人都市再生機構:一部敷地内の液状化やコンクリートたたき部分に亀裂等が生じた団地あり。
  • 独立行政法人国立環境研究所:施設・設備等被災

○各独立行政法人における震災対応関係の業務内容(主なもの)
  • 独立行政法人情報通信研究機構:航空機搭載合成開口レーダ(Pi-SAR2)を用いた緊急観測、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による仮設ブロードバンド通信網の構築、航空幕僚監部からの要請により松島基地及び入間基地に直径1メートル程度の小型の地球局設備(仮設ブロードバンド網)を臨時設置、「コグニティブ無線ルータ」の機材を岩手県に持ち込みインターネット接続環境を構築
  • 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構:通帳、証書、印章等をなくされた被災者の定額貯金及び郵便貯金の払戻、被災者に対する普通貸付金の非常即時払に適用する利率の軽減等
  • 独立行政法人国際協力機構:で国連災害評価調整チーム(UNDAC)、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の活動支援、青年海外協力隊員による被災者、避難者への支援等
  • 独立行政法人国際交流基金:海外拠点における災害情報の提供、支援の呼びかけ等
  • 独立行政法人国立青少年教育振興機構:被災者等の受け入れ
  • 独立行政法人国立女性教育会館:被災者等の受け入れ
  • 独立行政法人防災科学技術研究所:地震計(高感度地震計、広帯域地震計)で記録された東北地方太平洋沖地震の波形データ等の公表
  • 独立行政法人放射線医学総合研究所:被ばく医療関係専門家の派遣、防災業務従事者に対する体表面汚染及び内部被ばく検査等治療の実施等
  • 独立行政法人教員研修センター:被災者等の受け入れ
  • 独立行政法人理化学研究所:放射線測定支援等
  • 独立行政法人宇宙航空研究開発機構:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による被災地の緊急観測及び政府への画像提供、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いた通信回線の提供、技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)による人工衛星回線の接続、実験用航空機による福島第一原発周辺の放射線量計測、実験用航空機(ヘリコプター)による被災地への救援物資輸送、放射線計測装置の貸与等
  • 独立行政法人海洋研究開発機構:深海調査研究船「かいれい」が三陸沖から銚子沖にかけて海底地震計の設置や海底地形の調査等を実施、学術研究船「白鳳丸」及び海洋地球研究船「みらい」が、福島沖において分析のための海水採取等を実施
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構:原子力災害現地対策本部(福島県)へ要員派遣、放射線モニタリング、身体サーベイ、放射線
  • 除洗の実施
  • 独立行政法人雇用・能力開発機構:雇用促進住宅を被災者等の一時入居先として提供等
  • 独立行政法人労働者健康福祉機構:・DMAT(災害時の救命救急を目的とした専門医療チーム)、救護班派遣、巡回診療の実施、被災患者の受け入れ等
  • 独立行政法人国立病院機構:DMAT(災害時の救命救急を目的とした専門医療チーム)、医療班派遣、被災患者の受け入れ等
  • 独立行政法人国立がんセンター:宮城県へ医療支援団を派遣、福島県へスクリーニング支援団を派遣、被災地のがん患者の受け入れ等
  • 独立行政法人国立循環器研究センター:医療チームの派遣等
  • 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター:「心のケアチーム」の派遣等
  • 独立行政法人国立国際医療研究センター:医療チームの派遣等
  • 独立行政法人国立成育医療研究センター:羽田空港に災害時派遣医療チームの派遣、被災患者受け入れ、医師派遣等
  • 独立行政法人国立長寿医療研究センター:医療班の派遣等
  • 独立行政法人水産大学校:練習船「耕洋丸」による救援物資の搬送、船内での食事・風呂の提供等
  • 独立行政法人水産総合研究センター:水産庁と連携し用船を利用した被災地支援(しポリタンク300本の軽油の陸揚げ、重油30キロの提供)等
  • 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構:神栖国家石油ガス備蓄基地(茨城県神栖市)からの国家備蓄石油ガスを放出
  • 独立行政法人海上災害防止センター:千葉コスモ石油LPGタンク炎上について消防船2隻が対応
  • 独立行政法人都市再生機構:被災者へのUR賃貸住宅の提供、応急仮設住宅建設用地の提供等

 なお、独立行政法人評価分科会は同日の開催にあたり、被災者に対し黙祷を捧げている。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。