2018年8月22日水曜日

横並び行政法人(独立行政法人)

 独立行政法人の運用事項について、各独立行政法人が他法人の事例を参照し合いながら検討を進めた結果、均質的、一律的、画一的な状況となっている様。独立行政法人通則法の横串的規定を超えて、必要以上に法人の裁量を自己抑制する様。府省より各独立行政法人に対し、横並びを求めるケースもある。
 例としては、

  • 報酬・給与の水準について他の独立行政法人の事例に倣い設定することで、結果として独立行政法人間で酷似した報酬・給与体系が形成される
  • 業務運営効率化目標について、主務大臣が他法人の例に倣い設定する、又は財務大臣との協議過程において他法人との横並びを求めた結果、独立行政法人間で酷似した効率化係数が課される
などが挙げられる。


(参考)
○厚生労働省独立行政法人評価委員会第10回労働部会(平成16年5月28日)
松田委員:
 (略)この役員報酬が出たときに、独立行政法人はそれぞれの事情によって、それぞれの経緯によって決めるべきである、と。なぜ、全部横並びにしなければいけないのか、という質問がありますけれど、今回これを見ても、なぜ監事だけが全部、76万3千円なんでしょうか。(略)それにしてもこれを見ると、横並びにしても本当におかしいですよ。通常、考えられませんよね。規模の大小、あるいは中期目標の大きさ、小ささ、幅の狭さ等いろいろある中で、なぜこれだけが全部同じにならなければいけないのか。まったく摩訶不思議です。

○内閣府第15回独立行政法人評価委員会(平成17年3月17日)
川口企画調整課長:
 前回中期目標について御議論いただきまして、その御議論を踏まえまして修正をしたところでございますが、その後、内閣府から財務省への協議というのが制度上定まっております。(略)財務省は、横並びをそろえるという観点がございますので、(略)表現の横並びということで削除をしたということでございます。

○「主な論点に対する意見」(平成22年9月24日独立行政法人日本芸術文化振興会)
 (略)さまざまな事業に対し、横並びで調査等が行われることが極めて多く、業務が益々煩雑化し、「評価疲れ」のような事態が生じている。

○「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)(抄)
 中期目標において主務大臣が指示する効率化目標については、これまで多くの法人が、横並びを意識して「一般管理費:前年度比3%減、事業費:前年度比1%減」といった画一的で硬直的な設定を続けてきた。

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