2018年10月11日木曜日

独立行政法人の長の辞任

 会社法で役員の辞任に関する取り扱いが明示されてる株式会社と異なり、独立行政法人の長の「本人の辞意」に基づく「辞任」について、独立行政法人通則法上の明確な規定はない。しかしながら、過去の事例からは、独立行政法人の長の辞意を主務大臣が「受理」することで、辞任が成立したことが読み取れることから、自発的な辞任についても、慰留の有無も含めて主務大臣による選解任権に属すると考えられる。
 独立行政法人の長が、自ら辞意を申し出て、任期満了を待たずに辞任した主な事例とその理由は以下のとおり。

平成20年1月 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の宮島彰理事長の辞任(「一身上の都合により」辞職※平成19事業年度第4回運営評議会での説明)
平成20年2月 独立行政法人奄美群島振興開発基金の中野実理事長の辞任(「自己都合により」辞任、その後鹿児島県鹿屋市副市長に就任※第12回国土交通省独立行政法人評価委員会奄美群島振興開発基金分科会での説明)
平成23年3月 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構戸苅利和の辞任
平成25年5月 独立行政法人日本原子力機構 鈴木篤之理事長の辞任(高速増殖炉「もんじゅ」に関する独立行政法人通則法に基づく措置要求を受け、辞意を表明)
平成27年3月 独立行政法人理化学研究所 野依良治理事長の辞任(年齢や国立研究開発法人への移行を踏まえ、辞意を表明)
平成28年3月 年金積立金管理運用独立行政法人 三谷隆博理事長の辞任(健康上の理由から、辞意を表明)

(参考)

○平成25年5月17日下村文部科学大臣定例記者会見
 (略)独立行政法人日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長から、昨日、辞意の意思が伝えられました。私としましては、これまでの業績は評価するものの、一昨日の原子力規制委員会により示された、「もんじゅ」における、機器の点検漏れに対する厳しい評価及び、これを受けて、昨日、文部科学省として発出した、本件に対する独法通則法に基づく措置要求を踏まえ、理事長が自ら熟慮して下した判断を重く受けとめ、受理することといたしました。

○平成28年3月22日塩崎厚生労働大臣閣議後記者会見
 (略)三谷理事長は平成22年4月から理事長を務めていただいてまいりました。おっしゃるように、昨年再任されておりましたが、御記憶にあるかも分かりませんが、ダボスに行かれて、現地で入院をされて、それ以来実は健康上の理由から辞意を示されておられました。今回、特にGPIFの改革案が取りまとめられて、3月11日に関連法案が閣議決定されて、改革に一定の筋道がついたということで、かねてからの辞意を受け入れて、退任していただくということになったわけでございます。

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