2019年10月18日金曜日

独立行政法人制度の廃止の推進に関する法律案(廃案)

 「独立行政法人制度の廃止の推進に関する法律案」は、第174回国会が開会中であった平成22年6月4日に、山下栄一参議院議員が参議院に提出した法律案。議案種類は「参法」とされ、いわゆる議員立法を企図したもの。審議未了のまま廃案となった。
 具体的な趣旨及び背景については、審議入りしていないことから不明であるものの、提出時法律案によれば、「独立行政法人制度が、各独立行政法人の行う事務及び事業に対する国の責任を不明確にし」ているとして、「独立行政法人制度の廃止を総合的かつ計画的に推進」することを企図している。なお、国と独立行政法人を結ぶ関係性については、国会において定められた独立行政法人通則法及び個別法、並びに内閣が定める各種の閣議決定、さらに主務大臣との疑似契約関係(目標指示及び計画承認)が存在するものの、「責任を不明確」としている具体的な要因については明らかにされていない。また、法律案が施行された場合の経費として、「必要となる経費は、平年度約四千万円の見込み」とされているが、具体的な算定根拠や廃止される独立行政法人から「事務及び事業を国に引き継ぐ」ことによる経費が含まれているのか、といった点も特段言及はなされていない。
 なお、理論上は現行の法令においても、全ての独立行政法人について、独立行政法人通則法の規定に基づき、業務又は組織の全部又は一部の廃止を措置することが可能なほか、個別法の改正その他の法律制定により独立行政法人を解散させることが可能とされている。

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