2018年8月10日金曜日

独立行政法人の内部統制システム

 独立行政法人における内部統制については、平成19年の「独立行政法人整理合理化計画」(平成18年12月24日閣議決定)で「独立行政法人における監事のあり方を含めた内部統制の在り方について、第三者の専門的知見も活用し、検討を行う。」とされたことを契機に、平成21年度より総務省の「独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会」で検討されてきた。研究会では、国際的に広く認知されている「内部統制の基本的枠組みに関する報告書」(米国トレッドウェイ委員会支援組織委員会)を基本的に踏襲しつつ、独立行政法人制度や独立行政法人が担う事務・事業の特性を考慮し、独立行政法人の内部統制を6つの基本要素に整理するなどし、その成果を「独立行政法人における内部統制と評価について」(平成22年3月独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会)として取りまとめた。
 平成26年の独立行政法人通則法改正により、独立行政法人は、業務方法書で内部統制システム(役員(監事を除く。)の職務の執行が法令に適合するための体制)の整備に関する事項を記載することとされた。これを受け、上述の研究会の成果を踏まえ、総務省行政管理局が「独立行政法人の業務方法書に記載すべき内部統制システムの整備に関する事項」を
「「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について」(平成26年11月26日総務省行政管理局長)にて示している。

 「「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について」では、研究会の整理を基本として、独立行政法人の内部統制の要素を6つ挙げている。
  1. 統制環境(法人の長がリーダシップを発揮できる環境の整備)
  2. リスクの評価と対応
  3. 統制活動(法人の業務が、役員によって法令等に適合した上で、効果的、かつ、効率的に行われることを確保するための体制)
  4. 情報と伝達(内部統制システムが有効に機能するよう組織構成員に適切な情報が伝わる体制、役員の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制)
  5. モニタリング(モニタリング体制(法人内部及び監事)の整備)
  6. ICTへの対応

 以上を踏まえ、「「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について」に即し、各独立行政法人は、法人の実態に合わせて記載内容を再整理のうえ、平成27年4月1日の改正独立行政法人通則法施行にあわせて業務方法書の変更を行い、主務大臣の認可を受けることとなった。具体的な業務方法書の記述については、府省からの意見を踏まえ、
「業務方法書(独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備)の記載一例」(平成27年2月27日総務省行政管理局作成)が示されている。

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