2019年9月19日木曜日

橋渡し研究機関

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募の上、「先端的な基盤技術や学術的知見、優れた試験・分析能力等を持つ研究機関」として確認した研究機関のこと。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「中堅・中小企業等への橋渡し研究開発促進事業」では、「橋渡し研究機関」と共同研究を行う中堅・中小企業等を公募・選定の上、1億円を上限とした支援がなされている。「橋渡し研究機関」は独立行政法人に限らず大学や地方独立行政法人等も対等とされており、平成30年3月16日時点で185を数え、うち、独立行政法人は13を占めている。
 平成31年3月15日現在、「橋渡し研究機関」の具体的な要件は以下のとおりとされている。
  • 国の研究機関、独立行政法人、公設試験研究機関若しくは大学共同利用機関法人に該当する公的研究機関、大学又は高等専門学校であって、日本国内に立地するものであること。
  • 以下の1~5のすべてを既に実施している、あるいは、近い将来(概ね1年以内)に取組を実施する予定であること。
  1. 橋渡し業務を主要ミッションとして位置づけていること
  2. 職員への目標設定やインセンティブ付与による意識付けなどにより、受託研究収入等の民間企業からの資金受入れの増加に向けた仕組みを整備していること。
  3. 民間企業に対する技術相談業務、技術指導業務や企業との意見交換等において収集される情報を集約・分析すること等を通じて産業界のニーズ等を把握し、これを研究機関内の活動内容に反映するためのしくみを整備していること。
  4. 「中堅・中小企業等への橋渡し研究開発促進事業」に応募しようとする中堅・中小企業等以外の研究機関との人材交流や内外への職員の研修参加など、広く技術シーズやノウハウを取り入れるための仕組みを整備していること。
  5. 受託研究等によって生じる知的財産権の取扱についての検討体制や契約書のひな形等の規程類を整備していること。

 独立行政法人が「橋渡し研究機関」として確認された場合、中堅・中小企業等においては当該独立行政法人と共同研究を行うことで「中堅・中小企業等への橋渡し研究開発促進事業」への応募機会が得られるほか、当該独立行政法人においても共同研究相手方へのインセンティヴ付与や、共同研究・受託研究等の体制整備に関してのある種の品質保証を受けることに繋がることから、双方にメリットがあると言える。

(参考)
平成30年3月16日現在「橋渡し研究機関」とされている独立行政法人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
  • 国立研究開発法人理化学研究所
  • 国立研究開発法人国立がん研究センター
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
  • 独立行政法人国立病院機構
  • 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
  • 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構(熊本高等専門学校に限る)
  • 国立研究開発法人防災科学技術研究所

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