○目的
「監事の職責とそれを果たす上での心構えを明らかにし、併せて、その職務を遂行するための監査体制の在り方と、監査に当たっての基準及び行動の指針」を定めたものとしている。
○監事の職責
独立行政法人の長と同様に、「主務大臣から任命された独立の機関として、法人の業務を監査」することにより、「法人の健全な業務運営を確保し、社会的信頼に応える良質な法人の統治体制の確立に資する責務を負う」とされる。
○監事の基本的心得
以下の8項目が示されている。
- 独立性・公正不偏の態度を保持
- 監事向けの研修へ参加する等、常に自己研鑽に努める
- 適正な監査視点の形成のため、業務運営全般の見地から運営上の課題についての認識を深め、業務運営状況の推移と法人を巡る環境の変化を把握するよう努める
- 平素より独立行政法人の役職員等との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境整備に努める
- 監査機関たる地位にあるものとしての正当な注意をもって、監査を行う
- 監査意見を形成するに当たり、よく事実を確かめ、必要があると認めたときは、弁護士等外部専門家の意見を徴し、合理的な判断を行う
- 職務上知り得た秘密の保持に十分に注意する
- 退任する際は、監査業務の継続性を図るため、担当した業務に関する情報を書面又は適宜の方法により、後任の監事に引継を行う
○独立行政法人の長との定期的会合
監事と独立行政法人の長との間で定期的な会合を設け、「監査上の重要課題等について意見を交換し、法人の長との相互認識と信頼関係を深めるよう努める」ことが求められている。
○業務監査の内容
以下の手続きにより独立行政法人の業務を監査するとされている。
- 中期目標等及び中期計画等に基づき実施される業務の監査(中期目標等及び中期計画等の達成状況、財務内容の改善状況などの監査)
- 法人の長の意思決定の監査(独立行政法人の長の意思決定に関与する役員会その他重要な会議への出席、主務大臣への提出書類の調査などの監査)
- 内部統制システムに関する監査(独立行政法人が業務方法書に記載した内部統制システムの構築・運用の状況に関する監査)
- 監事を除く役員が不正の行為を行う、又はその恐れがあると認めるとき、役職員から他の役職員について同様の報告を受けたときなどに、地帯なくその旨を独立行政法人の長及び主務大臣に報告する
○会計監査の内容
主務大臣に提出する財務諸表が、法人の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況及び行政サービス実施コストの状況を適正に表示しているかどうかについて検証するとされている。
○監査の方法
書面及び実地により、年間を通じて実施するとともに、随時又は臨時の監査を行う。その際、監査方針、監査項目、監査方法、監査実施時期等を定めた年間の監査計画を作成し、独立行政法人の長に通知する。
○会計監査人等との連携
会計監査人及び独立行政法人評価制度委員会との連携、並びに会計検査院、総務省行政評価局、財務省等が行う調査等の活用などに努めることとされている。→独立行政法人、特殊法人等監事連絡会
→独立行政法人の監事の機能強化等に伴う措置について(平成26年11月28日総務省行政管理局長)(総管査第321号)
→「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について(平成26年11月28日総務省行政管理局長)(総管査第322号)
→独立行政法人における随意契約の適正化の推進について(依頼)(平成19年11月15日総務省行政管理局長・総務省行政評価局長事務連絡)
本文:
「監事監査指針」(平成26年12月19日独立行政法人、特殊法人等監事連絡会)
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