2019年3月11日月曜日

政府関係機関移転に関する今後のフォローアップについて(平成30年2月7日まち・ひと・しごと創生本部事務局)

 「政府関係機関移転に関する今後のフォローアップについて」(平成30年2月7日まち・ひと・しごと創生本部事務局)は、平成30年に内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局から各府省地方創生担当課へ発出されたもの。平成29年10月23日の第1回政府関係機関移転に関する有識者懇談会における有識者意見を踏まえ、政府関係機関の地方移転について検討、対応することを依頼している。
 独立行政法人に関する事項として、政府関係機関移転の対象となる研究開発法人について、「各研究開発法人の中長期目標・年次計画等における、移転の取組の明示的な位置付け」を求めている。これは、政府関係機関移転に関する有識者懇談会において、委員より「移転対象期間を有する各法人の中長期目標に移転にかかる取組が位置付けられれば、各法人がPDCAサイクルを自ら回すので、それをまち・ひと・しごと創生本部事務局が地方創生の観点から横串で評価するという形が望ましい」との意見が示されたことなどを受けてのものと考えられる。

○解説
 「政府関係機関移転に関する今後のフォローアップについて」の記述のうち、「各研究開発法人の中長期目標・年次計画等において、すでに移転の取組を記載いただいている機関もあるかと存じますが、明示的な位置付けがなされていない機関におかれましては、今後、中長期目標や年次計画を見直す際に御検討いただきますようお願いいたします」との要請内容については、以下のとおり、検討の余地があると考えられる。
  • 中長期目標は国立研究開発法人に関し制定されるものであることから、「国立研究開発法人以外の研究開発法人」(独立行政法人酒類総合研究所等)については、当該記述の対象外と扱うべきか、それとも「中期目標」と読み替えて対応すべきか。(要請の趣旨からして、後者が適当な可能性が高い)
  • 中長期目標は独立行政法人通則法上、主務大臣が定めることとされており、機関(中長期目標の客体である国立研究開発法人)にその記述内容を要請したとしても、直接記述内容の変更を取り扱えないこと。「機関」は「中長期目標」を直接見直す立場にないこと。(当該記述は主務大臣及び事務を行う府省に向けられたものとして解釈すべきか、それとも中長期計画の誤記と解釈すべきか)
  • 独立行政法人制度関連法令上「年次計画」なる文書の定義は存在しないこと。(中長期目標との並びで記載されていることや添付資料の記述から、年度計画の誤字と解釈すべきか)

 なお、添付されている「研究機関の中期計画等における移転に関する記載内容」(平成29年10月23日第1回政府関係機関移転に関する有識者懇談会参考資料6)は、多様な国立研究開発法人の法人略語(一枚の用紙中に(独)表記のもの、(国研)表記のもの、法人略語を用いないものなどが混在した形で、14用例が記載されている)を示す資料としても参照されている。    

→国立研究開発法人
→研究開発法人
→「国立研究開発法人」以外の「研究開発法人」
→中期目標/中長期目標/年度目標
→年度計画
→独立行政法人の法人略語

本文:
「政府関係機関移転に関する今後のフォローアップについて」(平成30年2月7日まち・ひと・しごと創生本部事務局)

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