「特殊法人等改革の推進等について」(平成14年7月9日内閣総理大臣発言要旨)は、小泉純一郎内閣総理大臣(当時)が平成14年7月9日に開催された閣僚懇談会で発言したとされるもの。当時「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)に基づき予定されていた特殊法人の独立行政法人への移行(移行独法)を見据え、「特殊法人等整理合理化計画」の具体化を「一層強力に進めなければならない」としたもの。加えて、当時既に設置済みであった独立行政法人(先行独法)の独立行政法人評価について、「特殊法人等改革の実効性を示す試金石として国民の厳しい目が向けられている」との認識を示し、独立行政法人評価の結果を「法人の運営、役員人事・報酬、予算等に速やかに反映する」こと、及び独立行政法人評価の結果やその反映状況について「国民にわかりやすい形で、積極的に公表」することを求めている。発言の具体的要旨は、特殊法人等改革推進本部参与会議にて公開された。
(解説)
「特殊法人等改革の推進等について」に先立ち、既に、中央省庁等改革基本法(平成10年法律第103号)の第38条第5項では、「独立行政法人の業務については、その実績に関する評価の結果に基づき、業務運営の改善等の所要の措置を講ずる」とする規定が設けられていた。したがって、「特殊法人等改革の推進等について」はその「所要の措置」について一層具体的な要求を示したものと言える。現に、独立行政法人農畜産業振興機構においては、この「特殊法人等改革の推進等について」を根拠に、毎年の独立行政法人評価の結果の予算等への反映状況を公表するといった事例が見られている。
平成25年から平成27年にかけての独立行政法人改革においては、「特殊法人等改革の推進等について」と同様の取り組みについて、法制化を含め、明文化・制度化が図られた。具体的には、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)において、独立行政法人は独立行政法人評価の結果を「活用し、主務大臣から指示された目標の達成に向け、計画の見直しなど必要な業務運営の改善を図る」とともに、独立行政法人評価の「結果の反映状況を毎年度公表する」旨が示された。さらに、平成27年4月に施行された改正独立行政法人通則法においては、第28条の4に、「評価結果の取扱い等」に関する規定が設けられ、独立行政法人評価の結果について独立行政法人の計画や業務運営の改善に「適切に反映させるとともに、毎年度、評価結果の反映状況を公表しなければならない」として、独立行政法人にその義務を課すこととされた。
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