2019年6月24日月曜日

独立行政法人における経営努力の促進とマネジメントの強化について(平成30年3月30日総務省行政管理局)

 「独立行政法人における経営努力の促進とマネジメントの強化について」(平成30年3月30日総務省行政管理局)は、平成30年3月30日に総務省行政管理局が「定めた」もの。宛先等は特段明記されていない。従来、独立行政法人が主務大臣から認定を受ける「経営努力認定」の基準を示してきた「独立行政法人の経営努力認定について」(平成18年7月21日総務省行政管理局)に代わって、「経営努力認定の一般的な考え方を示」した基準と位置づけられている。
 独立行政法人通則法において、独立行政法人の毎年度の活動により生じた利益の残余については、「積立金」として整理することとされている。本来、積立金は目標期間修了時点で国庫納付されることとされているが、この積立金が「独立行政法人の経営努力の成果である」と主務大臣の認定(いわゆる経営努力認定)を受けた場合には、積立金のうち一定の割合(原則5割)について、中期計画又は中長期計画で認可を受けた目的に充当することが可能とされている。
 しかしながら、平成28年度決算において、経営努力認定を申請した独立行政法人が9法人に留まり、かつ実際に経営努力認定を受けた独立行政法人は8法人に留まるなど経営努力認定の活用が「低調な状況」(総務省行政管理局)に留まっており、独立行政法人からは「認定要件が厳しすぎ、労力に見合わず申請を見送った」といった意見が見られた。この状況を受けて、総務省及び内閣府において検討会を設置し、運用の改善を検討した結果として、「独立行政法人における経営努力の促進とマネジメントの強化について」では、独立行政法人の「主体的な経営努力を促進するインセンティブが機能するよう運用を改善していく必要がある」との認識のもと、経営努力に該当する金額の満額を利用可能とするなど緩和された経営努力認定の要件について考え方を示している。


要旨

  • 独立行政法人が主務大臣に経営努力認定の申請を行う際には、主務大臣の評価結果において「総合評定がB以上であること」をはじめとして、評価結果において計画どおり以上の成果が認められる必要がある。
  • ただし、国立研究開発法人については、研究開発に関する審議会において、研究開発業務の特性(長期性、不確実性、予見不可能性、専門性)に起因して計画が未達となったことが認められた場合、要件を満たしうるものとされる場合がある。
  • 自己収入(運営費交付金及び国又は地方公共団体からの補助金等の国民負担に帰さない収益で、国又は地方公共団体からの受託収入は含む)から生じた利益については、経常収益に基づくものなどで、目標期間相当の平均実績を上回る場合には、10割を経営努力として認定する例外的取り扱いとする。
  • 業務の未実施や中止等によらない、運営費交付金で賄う経費の節減に関しては、5割を経営努力として認める。
  • さらに、国立研究開発法人については、主務大臣評価の結果において「総合評定がAである場合(後述の10割が認定される場合を除く)」7.5割を、「Sである場合」や「Aである場合で、かつ個別の項目についても半数以上がA評定となっている場合」には10割を経営努力として認める。
  • 中期目標管理法人及び国立研究開発法人においては、毎年度の自己評価書において積立金や運営費交付金債務などの状況を明らかにすること。

その他解釈事項
 「独立行政法人における経営努力の促進とマネジメントの強化について」を以って、「独立行政法人の経営努力認定について」(平成18年7月21日総務省行政管理局)を廃止することとされている。これは、当該平成18年の原文書に限らず、「独立行政法人の経営努力認定について」(平成26年6月27日総務省行政管理局)をはじめとして、その後の改訂分も含めて廃止されたものと解するのが妥当と考えられる。

→運営費交付金債務
→主務大臣評価/独立行政法人評価
→業務実績報告書/自己評価書/内部評価資料
→業務運営効率化目標

本文:

「独立行政法人における経営努力の促進とマネジメントの強化について」(平成30年3月30日総務省行政管理局)

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